衆議院選挙が終わり、選挙結果が出た。
結果としては自公で3分の2を獲得して大勝。
失速や躍進という言葉が躍るものの、野党の最大規模が50前後で、もはや衆院の純粋野党勢力では4分の1の臨時国会の召集要求すらできない、おそらく憲法も予定していない民主主義、政党政治の構図になっていると言わざるを得ない。
もちろん、改憲については、もはや憲法改正の発議を前提とした政治の絵図は自明だろう。
同僚弁護士がまとめていたので紹介すると(九州ブロックで未開票がある段階)
投票総数5517万7277(投票率52.89%)
自公維幸の合計2888万(52.36%)
※ 自公維幸希の合計3845万(69.70%)
対
立社共の合計1628万(29.51%)
※ 立社共希の合計2585万(46.85%)
希望の党は「改憲派」カウントなので、そのまま「安倍是認」&「改憲」でいけば、国民投票をしても約70%が改憲是認である。
一部(各社)世論調査では、45%?55%前後が安倍9条加憲に賛成という数字も聞いており、9条を含めた王道の改憲論からすれば極めて筋悪かつ悪劣な安倍改憲が実現する日は近いかもしれない。
これに対して、野党第一党は立憲民主党となった。立憲民主党党首の枝野氏は、9条改憲私案も発表している「改憲派」のはずだが、昨日の報道ステーションでは、9条改憲はしないと発言していた。ちょっと心配である。
今朝の毎日新聞朝刊によれば、候補者アンケートを当選者と政党別に引き直した結果、立憲民主党の当選議員のうち、98%が9条改正反対だということである(50人ちょっとの名中で賛成2%というと1人だろう、逆に誰だ?!)。
選挙のために支持者向けに反対といったのかもしれないというのを差し引いても、非常に不安になる結果である。
9条改正はしないけど、ハレーションのない解散権の制限なら議論する、というような発想は、はっきりいって安倍改憲と同じ狭矮な発想だ。
枝野氏を中心に、立憲民主は、是非壮大な改憲パッケージに踏み込んで、「改憲とはこうするものだ」という、国民がワクワクするような改憲論議、そして、立場を越えて日本の知性を結集するような改憲論議のプラットフォームになってほしい。
これこそ、枝野氏の党代表、政治家、そして人間の底力の見せ所だ。真のリベラルの再興、そして、日本型立憲主義と民主主義の再定位には、立憲民主党の初動が極めて重要である。
それを、「政治とは」「政治家とは」などというくだらない枕詞を隠れ蓑に信念の発露を極小化することによって保身にはしるような政治家はもう見たくない。
政治は人が行う。プレイヤー一人一人が変われば政治は変わる。
人として「まっとうな政治」に期待したい。